5月の初めに種まきをします。種は園芸店や通信販売で入手します。落花生の種ってどんなものか知っていますか? そう、あの食べる落花生そのものです。普通の種袋の中におなじみの豆がゴロゴロと入っています。もちろん、食料品店で買ってきた落花生は加熱加工してあるので芽は出ませんので念のため。
プランタに10センチ間隔ぐらいに1粒ずつ3センチぐらいの深さに植えます。2週間ぐらいで発芽しますが、発芽率が悪いときもあります。予定株数の3倍は蒔いておいた方がいいでしょう。1袋(約20粒)播いて、1株しかできなかたった年もあります。
あまり水をやりすぎると、豆が地中で腐ってしまい、発芽に失敗します。
発芽は、豆から根が出て、その根で自分自身を支えるようにして、豆の部分が盛り上がって来ます。豆が地上に出ると二つに割れて中から芽が出てきます。この時期に、豆を狙って鳥がやって来るので、網をかけるなりの防護が必要です。
5月下旬から6月の初めに、発芽したものの中から、元気そうな株を選んで3.5号(10.5センチ)か4号(12センチ)のビニールポットに移植します。初めからポットに1粒ずつ播いてもいいですが、発芽率のことを考えて僕はこのようにしています。
ここまで来れば鳥害の心配はありません。
株が充実してきたら、元肥を施したプランタに移植します。落花生の場合、プランタは、深さよりも広さが重要です。落花生の実は、地上部の広がりの下の土中に出来ますので(枝豆みたいに茎に成ると思っていた?)、標準プランタではほとんど収穫できません。なるべく地表面が広くとれるものが適しています。僕は、野菜プランタに2株植えています。
7月下旬にさらに追肥をします。
気温と日照が十分であれば、大きな葉がどんどん繁って来ます。黄色い花が咲きます。花や新芽にアブラムシがつくのが困りものです。8月中旬までに株をなるべく大きく、また花をたくさん咲かせるのがポイントのようです。
花が終わると、実が出来始めます。このプロセスはなかなか興味深いものです。花がらのところから太い針のようなものが出て土中に潜り、その先端が少しずつ膨らんで実になります。地面に落ちた花から実がなるような推移をたどるのが「落花生」という名前の由来です。
結実を助けるために、株の周囲の地面を柔らかく掘り返し、また少し盛り土をするとよいでしょう。実が地表から見えるような場合は土をかぶせてやります。土がかぶっていないと大きくなりません。
結実を鳥は敏感に察知します。地表からこぼれ出た実をめざとく見つけてやってきます。カラスは株ごと引き抜いたりします。再度、網などの防護が必要となります。
10月末から、11月初旬が収穫時期となります。
実を1個ずつにばらし(殻はむかない)、殻のまま、圧力鍋で約5分間ゆでます。アツアツのところを殻をむいてつまめば、ビールに最適です。未熟な実は殻をむかなくてもそのままつるんと食べられます。これもまた格別の味わいです。冷えてしまっても十分美味です。