掬水へんろ館目次前日翌日著者紹介
掬水へんろ館のらくら遍路日記〜土佐Vおよび伊予/菩提道場前篇
北村 香織

 第5次にあたる今回の区切り打ちは、2001年4月29日から5月7日までの9日間で、足摺港から松山は51番石手寺までの旅になりました。第4次で新たなお遍路のスタートラインに立った私が、この後どう導かれて何を体験していくのか。そんな期待をこころの片隅で抱きながら、でもあくまでも自然体で、そして第4次でお世話になりっ放しだった方々のお力添えをまたもいただいたお陰で、さらに素晴らしい、忘れえぬ旅となりました。

≪本篇のまえに≫

 3月に第4次の旅を終え、それからこの第5次の旅が始まるまでの間には、お遍路の目に見えない数々のご縁が続き、実に充実したひと月でした。1つ目のご縁はR氏とのご縁。4月初め私は修士課程2年目となり、いきなり修論ゼミの発表に当たってしまいました。まだ修論のしの字も頭に浮かばないでいたのに発表とは…。それで考えたのが「時間稼ぎ大作戦」、ビデオ上映です。その時、2月に放映された南海放送制作のドキュメンタリーを録画したものをお借りしたのが直接のきっかけとなって、以後R氏とそのお遍路仲間さんたちとの交流をいただくようになりました。またお不動さんから聞いて、ぜひ会ってみたいと思っていながらご縁がなく、私より一足早く区切り打ちを終えていた女子大学院生(カモさん)からも思いがけずメールをいただき、直接会う機会にも恵まれました。そして1巡終えられたお不動さんとのご縁はさらに深まり…。お手紙やメール、そしてカモさんを初めとしたご縁の取り持ちのみならず、私にとっては最高のたからものの1つとなった石笛をいただいてしまいました。(でも私では鳴らない…。ヒューッと息が漏れるだけ。)

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