シンポジウム「四国遍路と大学教育」の報告書が出来上がりました。希望される方は、住所・連絡先を明記の上、送料240円分の切手を添えてお申し込みください。
あて先: 798-0073 今治市矢田甲688 今治明徳短期大学 遍路委員会
ごあいさつ
遍路を教育に取り入れている四国大学、鳴門教育大学、徳島大学、高知学園短期大学、今治明徳短期大学、高松短期大学、香川大学に所属する教員が大学間の情報交換・協力推進、学生交流のあり方について連絡を取り合い、ネットワーク構築を目指して、2004年3月に準備委員会を開催した。そこで、4月に「四国歩き遍路大学ネットワーク」を発足させることに合意し、最初の取り組みとして、シンポジウム「四国遍路と大学教育」(後援:えひめ地域政策研究センター)を2004年7月18日(日)に今治明徳短期大学において開催した。
当日は連休中日であったにもかかわらず70人あまりの参加があった。岡山や北海道など四国外から来られた教育関係者の方々や、お遍路の途中に立ち寄られた人もあった。一般の参加者の方々からは、「遍路教育学」が提唱されるなど、熱心な議論が展開された。地域文化であるお遍路を、大学教育に生かす意義について異論はなかったが、ネットワークを具体的にどのように発展させるかについては、今後の課題とされた。
現在、今治明徳短期大学で開講されている「地域文化論(歩き遍路体験学習)」(一般教育)の一部である公開講座講義は、ネットワークの他大学の専門家が担当している。新たに、2005年度からは、高松短期大学「地域観光研究」(秘書科観光文化コース)で実施されているお遍路さんへのお接待実習(おへんろ交流サロンで、うどん、蒸パンのお接待)に、今治明徳短期大学学生も「地域文化論」の実習の一環として参加する。これまで歩き遍路道中ではお接待していただくばかりであったが、この実習では、足マッサージなどのお接待を体験する予定だ。2005年度より新設される愛媛大学「遍路を歩く」(共通教育)、松山大学「達成体験学習−歩き遍路」(人文学部)、鳴門教育大学「四国遍路と地域文化」(大学院)の受講生との交流も企画されている。この他に「地域文化論」で実施する5月、9月、10月の歩き遍路には、他大学の学生も参加する予定である。
ネットワークに参加している教員の専門分野が、多岐にわたっていることは示唆的である。歩き遍路の文化は、間口も広く、奥も深い。それぞれの専門性を生かした教育を、より多くの学生に提供するためにもネットワークを生かしたい。大学の枠を超えた相互の交流は、教職員にとっても教育・研究を探求する際によい刺激となろう。「四国歩き遍路大学ネットワーク」は、「緩やかで開かれた結びつき(ルーズでオープンなネットワーク)である。関心のある方にこのネットワークを活用していただければ、これに勝る喜びはない。
最後になったが、シンポジウムでご報告いただいたメンバーの方々、わざわざ足を運んでくださった参加者の方々には、心よりお礼申し上げたい。また、シンポジウムを開催するにあたってお遍路さん、お接待の方々、お寺のご住職、専門誌の編集者の方々に、大変お世話になった。記して感謝したい。
2005年3月
「四国歩き遍路大学ネットワーク」シンポジウム事務局
今治明徳短期大学 遍路委員会委員長 市川ひろみ
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