6年にわたって逆打ちの歩き遍路を続けている幸月さん(80歳)を描いたドキュメンタリー「草遍路 終わりなき旅」が、2003年5月30日(金)20:00から、四国全域のNHK総合TVで放映されます。
5月30日(金) 20:00〜20:43 NHK総合 (四国全域) | 四国スペシャル「草遍路 終わりなき旅」(仮) 〜四国巡礼2500日 幸月さん・80歳〜 |
全行程1400キロに及ぶ、四国八十八か所・遍路の旅。歩いて回ると40日近くかかり、札所めぐりが盛んになった近年でも、全行程を歩き通す人は年間2000人余りに過ぎない。その遍路道を「自分の最期の場所にしたい」と、もう6年にわたり逆打ちで歩き続けているひとりの老人がいる。80歳の幸月(こうげつ)さんだ。夜はたいてい野宿。寝袋や調理用のコンロなど、必要最小限の道具だけを手押し車に載せて歩く。あごひげをたくわえたその風貌に、行き交う人々は思わず足を止める。そんな時、幸月さんはみずからも立ち止まり、しばし談笑を楽しむ。そして時折、即興で俳句を詠む。番組では、高知から徳島へと向かう幸月さんの旅路に同行取材。その生きざまを描いていく。 語り:林隆三さん |
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(情報提供: NHK徳島放送局)
 幸月さん(1999.5.1) |
僕も遍路中に幸月さんに会ったことがあります。1999年5月、1度目の結願に向けて屋島寺に登る途中のことです。当時は、屋島寺の北側から降りる遍路道は知らなかったので、僕はふもとに荷物を置き、金剛杖と巡拝用具だけを持って暑さにあえぎながら参道を登っていました。そのとき、上から降りて来る真っ黒に日焼けして、長くくねりくねった錫杖を手にした老遍路に目を奪われました。荷物は台車に積んで運んでいるので、山道には入らず国道など舗装路を歩いておられました。「3年間(1000日)、逆打ち、野宿で歩く。今日で191日、5巡目に入った。この間、ふとんで寝たのは3日のみ」とのこと。10分ぐらいおしゃべりをしていたように覚えていますが、出会ったばかりの遍路同士の常として「何故?」という会話には至りませんでした。結局、1000日をはるかに過ぎた今も歩き続けておられるわけです。
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人は何のために生きているのか?どう生きれば幸せなのか? 幸月さんは、そんな根源的な問いをわれわれに投げかけているような気がしてなりません。 ぜひご覧ください。
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これは、NHK徳島局ディレクターの太田さんからのメッセージです。昨年9月にホームページの幸月さんの記事を見て大変驚き、接待所などでの消息を手がかりに幸月さんの居場所を突き止め、半年後の今、ようやく番組を完成されたのです。今回は四国だけの放映ですが、場合によってはその後全国放送になる可能性もあるとのことです。
僕がお会いしたとき、幸月さんは、お接待だけで食べていて、お接待を下さった方にはコピーを綴じた自作の句集を差し上げるのだとのことでした。その句集が、いよいよ今年6月に、季刊誌「四国へんろ」などを発行しているふぃっつから、『句集 風懐に歩三昧』として発刊される予定です。
2003.6.7 追記
下記の通り全国で放送されることになりました。
にんげんドキュメント「生きてゆくから歩くんだ〜四国巡礼2300日〜」
・本放送・全国(北海道以外)
6月27日(金)NHK総合 午後11:00〜11:50
・本放送・北海道
7月3日(木)の深夜4日(金)NHK総合 午前0:15〜0:58
・再放送・全国(北海道含む)
7月1日(火)の深夜2日(水)BS2 午前2:00〜
7月5日(土)NHK総合 午前10:05〜10:48
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