掬水へんろ館談話室
掬水へんろ館メールボックスから

長野県の竹内六郎さんからのメールです。竹内さんは、通し打ちの予定で2001年6月に歩き始めましたが、8日目に足のマメが悪化して中断されました。2002年3月13日、中断地点の民宿とくますより続きを打ち、4月に無事結願されました。

2002.4.14 竹内六郎さんからのメール
くしま さま

 昨夏に引き続いての四国遍路歩き、無事結願を果たし高野山へのお礼参りを
済ませ、四月十一日に帰ってきました。
 山桜の咲き出した室戸崎から歩き出して、高知の暖かな春の海を見ながら、桜
の花を追うように南下し、瀬戸内に入ったころから満開となった桜の下を歩き続け
鎌大師からの遍路道や、64番、65番では、花吹雪が舞い、徳島を離れ、高野山
に上ると、又  満開の桜が出迎えてくれました。帰途中央線の車窓から、木曽路
の満開の桜が目にとまり、自宅に向かう諏訪湖畔の満開の桜など、生涯でこんな
に沢山の桜を見たのは初めてです。
 今回のたびは、まさに花遍路にふさわしい、いい旅でしめくくることが出来まし
た。
 主な、遍路道を逃さず歩き、いろんな草花や、うぐいすの鳴き声を聞きながら、
連日、35キロから40キロを楽しく快調に歩くことが出来ました。
 今回、発見したことは、四国は温暖の地であり、畑の野菜などは、冬の間も取り
残されており、それが春になると花が咲いていることでした。大根の花は白いと聞
いていましたが、白菜やキャベツの花が、菜の花と同じ形の、黄色い花であること
を知ったのは驚きでした。
 もう1つは、四国の人たちは、先祖を大切にするという風習があり、墓地には
いつもきれいな季節の花や、仏様の木、といわれるシキミ(シキビ)の葉が飾られて
おり、そのことを聞いたところ、毎月の故人の祥月命日には、必ず墓参りに訪れる
のだという。私など たまにしか、命日や春秋の彼岸に墓参りをするだけですので
恥ずかしい思いで、頭が下がります。
 歩きの沿線地域の人たちには、できるだけ多くの言葉をかけてきましたが、ただ
の通りすがりの、にわか遍路にしか過ぎないのに、みなさん快く、応じてくれまして
とても気持ちが良かった。又 山間地の子供たちの明るい元気な挨拶が、とても
印象的で、忘れかけていた、田舎の昔を思い出しました。
 約一ヶ月間歩いてきまして、今年は歩き遍路が多いと聞いていましたが、高知で
は連日、十数人に逢いました。愛媛や香川に入るとぐっと少なくなしましたが、徳島
に来て、10番からの逆打ちの道に入ると、二十数人の歩き遍路に出逢いました。
みなさんのご無事での結願をお祈りしたい。多くの人との出会いがあり、多くの遍路
さんと知り合いましたが、一期一会で終わりたくない思いです。
 手束妙絹尼さん お世話になった宿のご主人さん達 みなさんいつまでもお元気で
又 お会いしたい。
 長くなりましたが、以上の内容をもって、結願の報告とさせていただきます。
最後になりましたが、くしまさん いろいろとありがとうございました。   合掌
rtakeuti@po11.lcv.ne.jp

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