掬水へんろ館談話室
掬水へんろ館メールボックスから

99.7.5 のりこさんからのメール

兵庫県西宮市にお住まいののりこさんから次のようなお便りが舞い込みました。何と8年かけて結願されたとのことです。

私も平成4年から「歩きへんろ」を始め、なんと8年もかかって、今年やっと「結願」しました。8年の間に「歩きへんろ」自体も、まわりの「歩きへんろに対する見方」もだんだん変わってきたようですね。でも、歩きへんろの「楽しさ」「辛さ」「有り難さ」は、今年も同じでした。8年(行ったのは6回ですが)の間に書きためた日記を、私も今がんばってまとめていますが、これが人に読んでいただけるものなのか・・。でも、ぜひ「遍路の素晴らしさ」をたくさんの方に伝えたいと思うのです。どうすればいいか、アドバイスをいただけるとうれしいのです…。

実はインターネットをはじめたのも、つい数日前なので、まだ、何が何だか、このメールがちゃんと届くのかどうかも不安です。でも、「へんろ」のページがあって、たくさんの人がアクセス(?)しておられるようすに、ついうれしくなって、こんなの書いてみました。

えーっと、このメールには「お返事」なんていただけるのかどうかわかりませんが、またホームページは読ませていただきます。

気候不順の折、ご自愛ください。

のろのろ歩いて幸せだったグータラ遍路 より

ご返事

お便りありがとうございます。8年間もかかっての結願、感慨深いものがあろうかと推測致します。おめでとうございました。

8年の間に「歩きへんろ」自体も、まわりの「歩きへんろに対する見方」もだんだん変わってきたとのことですが、具体的にどのような変化を感じられたのか、ぜひお聞かせ願いたいと思います。私は3年間がかりでしたが、だんだんと歩き遍路が増えたという実感をもった一方、「歩き遍路の質が低下した」という声をちらほらと聞き、残念に思っています。

日記をまとめられているそうですが、ご自分でホームページを開設するのが一番です。すでに20人以上の方が、歩き遍路の体験記をホームページとして公開しておられます。

当面、それが無理であれば、私の方で文書データをお預かりして、私の「掬水へんろ館」に投稿記事として掲載させていただく方法もあります。この場合は、日記の原文がワープロなどデータとして作成されている必要がありますが…。

あとは、自費出版という手もあります。最近は年間に何冊も、歩き遍路の体験記が出版されています。

99.7.6 のりこさんからの第2信

早速のお返事、ありがとうございました。面識のない方からのメールが、こんなにドキドキうれしいものだなんて! きゃーきゃー言ってしまいました。

いろいろアドバイス ありがとうございました。ただ、私の「へんろ日記」はおそろしく長いものになりそうで、今必死でワープロ打ちしているのですが、まだ全行程の11日目くらいなのに、すでに200ページくらいになってしまっています。とりあえず打ち込んでしまってから、また削除・編集(そんな大層なものじゃないんですが)しようと思っています。ですから、とてもホームページで読んでいただけるようなシロモノではないかもしれません。だいたいそのホームページを作成する能力がありません。…クスン。自分からアドバイス下さいって言っておいて、「何をグズグズゆーてんねん」(あ、関西弁は使われませんか)とお思いですよね。…はぁー(ため息)…キチンと整理ができたら、また相談にのっていただけますか?

8年間の間に、「へんろが変わった」というお話の件ですが、私の受けた印象では、(1)「年々、歩きへんろがムチャクチャ増えてる」というのと、それにともなって、(2)「へんろを受け入れる側の対応も変わってきている」、あと(3)「スタンプラリー感覚のへんろが多いかな」 という感じです。

えーっと、長くなってもいいですか?

まず、

(1)は、くしまさんも感じられたとおりだと思います。今年は特に定年退職又はその前くらいの年齢の方が多くなっていました。へんろ宿のオバサマが、「不況や倒産の多い年は遍路が増える」とおっしゃっていました。

(2)は、私が歩きはじめた8年前は、まだ「歩きへんろ」の絶対数が少なく、珍しがられたので、よく人に声をかけられご好意を受けることが 多かったんです。特に、納経所の方の対応は全く違っていて、今年あたりは「なぜこんなに事務的になってしまわれたのかな」と悲しくなりました。

(3)については、朝日新聞の「声」欄に投稿の方の文章の中にも、「へんろ公害」の言葉がでていましたが、傍若無人的な方が、少しみうけられるようになったようで…。私もたいした「宗教心」もなくはじめてしまったのでエラそうなことは言えませんが、せっかくの巡礼の旅、もう少し謙虚にお寺詣りをして いただきたいなぁ、と思わせる方が多くなりました。納経所直行ではなくて、ちゃんとお詣りしてほしい。お寺の境内で、べンチを独り占め、ふんぞり返って右手はタバコをプカプカ、左手は携帯電話で宿の予約…これを見た時は胸が痛くなりました。

なんだかグチみたいになっちゃいましたが、でもやっぱり「歩き遍路」はすばらしい! と思っています。タバコぷかぷかの方だって、行程の最後の方には、きっと「違う自分」を見つけられるでしょうし、必ず、「有り難くて泣き出したい」ほどの幸せを実感することができる、・・そうですよね。私の旅にも「不思議なこと」「泣きたいこと」「何でそーなるの?」ってことが…、

……! すみません! こうやって、文章が長くなっちゃうんですよね、この辺でやめときます。うれしくて、またまたお便り(メールっていうのかな)しちゃいましたが、ご迷惑ではなかったでしょうか?「お返事」とーってもうれしかったです。

のりこさんは談話室(99.7.9)に、野宿のテクニックなども書き込んで下さいました。

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