東京新聞 1998年12月27日付
東京新聞より許可を得て転載

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新年の「団塊50歳」企画第一回に登場した会社員、串間洋さん(四八)。「自分探し」の旅にと、四国八十八力所の霊場を巡るお遍路姿を紹介しました。串間さんはその後も遍路を続け、あと一回で一周を遂げて、全霊場を巡り終える「結願」にこぎ着けました。(1月1日掲載)

団塊の48歳 遍路の旅
自分探し『結願』目前

 紹介した年末年始に串間さんは約二百二十キロを歩き、その後もゴールデンウイークと夏の二回で計約四百五十キロ歩いて、四国の阿波、土佐、伊予、讃岐のうち、讃岐路の一部を残すだけとなりました。数日もあれば歩き通せそうです。
 串間さんに近況を尋ねました。
 「結願が近づくにつれて、これから遍路に出る人がうらやましい、という思いと、若干のマンネリズムを感じています。ただ結願してしまうのが、もったいない、という気持ちもあります」
 当面、この年末年始は歩く計画はなく(結願は)恐らく来年五月の連休になるでしよう」ということでした。
 スタートしたのが一九九六年五月だったので、まる三年がかりの四国一巡となりそうです。
 串間さんは、ある僧の言葉を引用して、こうも話してくれました。「一回目は、無我夢中。二回目は、知ったかぶり。三回目からが本物。私もまだ修行中。また何度も遍路に出たいです」と。今後も遍路を続けていく気持ちは固まっているようです。「自分探しの旅」が最終章を迎えることはまだまだなさそうです。


四国八十八ヵ所の霊場を巡る遍路

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