四国遍路について
四国遍路とは?
一口に言えば四国にある所定の88箇所のお寺を回って巡拝することです。昔は誰もが徒歩で回ったのでしょうが、現代では車やバスで回る方が普通です。歩いて回ると1150キロの行程となり数十日かかります。必ずしも宗教的理由で巡拝する人ばかりではなく、観光目的で毎年バス旅行で来る方もあれば、「歩く」ことに意義を見いだして、単に歩く場面として四国を選んでいる方もあるようです。
白装束が基本です。上下とも白衣を身に付け、手首は手っ甲、足首は脚絆で保護します。菅笠をかぶって、日光・雨を防ぎます。はきものは昔はわらじだったんでしょうが、現代の歩き遍路は軽登山靴やスニーカーが多いようです。
金剛杖は、実用的には悪路を行く際の道具であり、また、蛇などの魔物と戦う武器でもありますが、基本的には弘法大師の身代わりの意味があります。遍路のことを「同行二人」といいますが、この二人とは弘法大師とともに歩くという意味です。
首から輪袈裟というものをかけます。礼拝の正装具だそうですからネクタイみたいなものですね。その他、頭陀袋、数珠、鈴などがありますが、どこまで徹底的にやるかは本人次第です。バスで回る方でも、上白衣と金剛杖は大体の方が持っているようです。
私は、菅笠、上白衣、輪袈裟、金剛杖を身に付けました。
遍路をしている人に地元の方々が食べ物やお賽銭を差し出します。これをお接待と言います。昔の遍路は何十日もかかって、自動販売機も何もないところを歩きつづけたわけですから、遍路にとっては大変ありがたい風習だったのだと思います。この無償の習わしは現代も生きていて、私も何度か、果物やお菓子やお賽銭の接待を受けました。遍路は、お接待を受けたら断ってはいけないことになっているそうです。
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歩き遍路を中心にして四国遍路の各札所の紹介と、遍路する上での基礎的な知識やノウハウを解説している。様々な歩き遍路の人々の紹介もある。
市販の本の多くは自動車で巡拝することを前提としているが、この本では特に歩き遍路についての情報が詳しい。僕のようなフツーの人でも簡単にお遍路さんになれることが分かった。本書に出会わなかったら、「遍路」という未知の世界には足を踏み出さなかったかも知れない。
第1期の区切り打ちのコースは、本書の巻末にある「歩いて巡る1週間遍路のモデルプラン」に大体沿っている。但し、本書では、宿坊に泊まるような想定になっているが、本文に記載したように、残念ながら宿坊はどこも断られた。
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前記の「四国八十八ヵ所めぐり」に紹介されている資料だが、一般書店では売っていない。へんろみち保存協力会に直接注文する必要がある。遍路のノウハウについて大変くわしく書かれている。また別冊で詳細な地図と宿泊場所や食堂の一覧表がついている。ごの一覧表には住所・連絡先だけでなく、前後の札所との距離も記されているので、日程の計画をたてるには大変便利である。これを使って計画をたててしまうと、発見の喜びがなくなってしまうという人もいるかもしれない。
「「掬水へんろ館」