掬水へんろ館遍路の本談話室
掬水へんろ館お遍路さん

お遍路さん 加賀山耕一お遍路さん 美人をたずねて三百里 (平凡社新書,2006年)
本体価格 740円, ISBN4-582-85350-1

著者の『さあ、巡礼だ 転機としての四国八十八カ所』、『お遍路入門 人生ころもがえの旅』に続く、遍路関係で3冊目の著作です。

全体を「歩む」、「食う」、「寝る」、「会う」という四つの章に分け、著者自身の体験を踏まえて現代の歩き遍路の諸相を語り、論じています。

副題にある「美人をたずねて三百里」のほか、「お遍路さんに階級あり!?」、「お遍路ダイエット」、「金持ちの方法」といったタイトルの読みやすいエピソードが連なり、単なる遍路日記や、ガイドブックではない形で、歩き遍路の魅力を伝えるとともに、時に辛口な著者自身の考え方もふんだんに盛り込まれています。

お遍路にのぞむにあたり、過剰な知識や準備は必要ないというのが著者の考えですが、本書においては、四国遍路の様々な体験や光景を描くことを通じて、読者を歩き遍路にいざなうことを意図しているのでしょう。体験者にとっても、「そうだ」と膝を打ったり、「そういう見方もあるか」と気づきを与えてくれる作品だと思います。

ただし、あとがきにある「マメの素人療法」への断固たる批判については、僕個人としては違和感を覚えるところです。その口調の強さに何らかの個人的体験が結びついているのかも知れませんが、著者の「正解は一つではない」という立場に共感を覚えるだけに、その姿勢を貫徹して欲しかったと思います。

くしまひろし

〔広 告〕
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