掬水へんろ館目次前日翌日著者紹介
掬水へんろ館阿部春夫さんの実況遍路日記 《1999年3月18日》
:
津照寺
津照寺
金剛頂寺
金剛頂寺
ウミガメ
海亀
影法師
影法師
神峯寺
神峯寺

天気:晴れそして曇り、気温やや高め、体感温度暑い、出発:24番国民宿舎むろとそして到着17時10 27番 神峯寺から9km国民宿舎あき、札所25番から27番まで、50118歩、走行距離28.6Km、所要時間:9時間24分、お接待:3回、尺八献曲3寺、平均時速2.9Km、体重:測定66.5Kg(5Kg減 苦労は数値が物語る)、PHSアンテナ立たず

国民宿舎むろとの支配人さんの車のご接待で国道まで送っていただく。津照寺は町の中、本堂に登ると海が青く見える。今日から鐘は最初につく、今まで参拝後のついていた。特に焼山寺の登りでは鐘の音で勇気つけられた。そのため参拝後5回も鐘をついた。戻り鐘は地獄から呼びに来ると言う。

今日はなんだか身体が重い。今日からお参りに少し時間が増えた。最近、お亡くなりになった、Wさんと昨日の志保さんが今日は真面目に学校に行くようにの2つだ。

四国アラウンドの叔父さんに「ご苦労さんです。」と声をかけたら話が弾んだ。高野山を含めて年9回四国を廻るそうだ。お別れするとき錦の納め札を記念にいただいた。納め札には四国霊場順拝128回、高松の竹元さんと印刷してある。

次の寺金剛頂寺の帰り沖を見ている老人Aさんに話しをかけられる。「昔は松林があり、海がめも卵を生みに来たが築港が出来てから砂浜が削られたしまった。鯨の慰霊塔があっただろう。あれは大洋漁業と極洋捕鯨のものだ。昔はこの浜でも鯨を良く捕ったものだ。網漁と言って網を使ったものだ。活きのいい鯨は駄目だ。せみ鯨か、ざとう鯨。動きの鈍い物でなくては捕まらない。この辺のものは鯨の習性を良く知っていた。魚探と高速船が鯨を 絶滅に追い込んだ。」老人と海をほうふつさせる話しであった。

歩く歩く自分の影がコンクリートに焼けつくようだ。神峯寺ではお茶とお菓子をお接待いただいた。歩き遍路さんだけこちらに来てと奥様、錦鯉が優雅に泳ぐ庭先の縁側でおいしいお茶とお菓子をご馳走になった。疲れている身体にありがたさが染み渡る。ありがとう。

四国遍路目次前日翌日著者紹介