掬水の果て > 読書日記 > 四国もみじ遍路ひとり歩き 心の詩
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林大斐 『四国もみじ遍路ひとり歩き 心の詩 』 (文芸社,1999年)
ISBN4-88737-748-71936年(昭和11年)生まれの著者が、1998年(平成10年)10月21日から12月2日まで実行した歩き遍路の記録です。おおむね1日分を見開き2ページで、行動記録が中心の日記のほか、水墨画歴10年の著者が札所などで描いたスケッチと詩が添えられているのが特徴です。
著者は持病をお持ちのようで「不退転の決意」でとりかかった遍路ですが、1泊目から下痢で苦しむスタートとなり、また遍路も後半、宿の中で転倒して尻を強打し、その後何日も痛みに耐えるなどアクシデントもありましたが、43日目で結願します。
著者は幼時、横峰寺に向かう遍路道沿いで暮らしたことがあります。このとき母親代わりに著者を育ててくれた祖母の言葉「おまえも大きくなったら遍路するんだよ」を忘れずに、定年後の今ようやくそれを果たしたというわけです。
62歳で会社を定年退職した著者は、体に故障が多いため、遍路に出る前、半年にわたりトレーニングとして登山を続けました。「最初は山に登ると、接骨院に1週間通院する繰り返し」というほど体力作りには苦労されたようです。
くしまひろし
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