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掬水の果て > 読書日記 > 歩き遍路の世界 小企業経営者は歩きながら何を考えたか
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高見貞徳 『歩き遍路の世界 小企業経営者は歩きながら何を考えたか 』 (文芸社,1999年)
ISBN4-88737-426-7著者は1940年(昭和15年)富山生まれ、機械検査会社などを経営しておられます。1995年5月に区切り打ちを始め、1998年1月に結願するまで、そしてその後2巡目で再び23番まで歩いた模様を記録したものです。
本書の特徴は、サブタイトルにある通り著者が歩きなが自分の社長業についてあれこれと考えを巡らせている点にあるでしょう。また、地図をじっくり検討したにもかかわらず等高線を読み間違って思わぬ山道にあえぐはめになり、日頃奥様から「あなたは思い込みが強過ぎる」と言われていることを納得してしまうところなど、著者の人となりが伝わってきます。
「宗教心はない」と断り、遍路の目的は「ただなんとなく」だと強調されていますが、実はこれが現代歩き遍路の動機の典型のようです。区切り打ちの合間には、自宅の近くで歩行トレーニングに励むなど準備も万全です。
ところで、ある旅館の女将に(一般論として)「歩き遍路は泊めたくない。一口では言えないが、難しい人が多く、やりにくい」と言われたとあります。歩き遍路に親切な遍路宿が多い中で、このような見方もあるのが事実です。特に最近は「歩き遍路の質の低下」という声が聞かれます。遍路としては、暖かく迎え入れてもらえるような行動を心がけるべきでしょう。
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