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掬水の果て > 読書日記 > さあ、巡礼だ 転機としての四国八十八カ所
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加賀山耕一 『さあ、巡礼だ 転機としての四国八十八カ所 』 (三五館,2000年)
ISBN4-88320-194-51956年生まれで、ノンフィクション作家をしている著者の2回目の遍路を描いたものです。1回目は著者が23歳のとき。その後、学習塾の経営が軌道にのりますが、執筆活動に専念する決意を実行にうつすための「転機」として14年ぶりに、再び歩き遍路を行ったものです。
野宿での旅のため気ままな行程では、「風呂の入り初め」を引き受けたり公園でのラジオ体操に参加したりと、寄り道の多い楽しい旅です。
モノ書きを業とするだけあって、構成も巧妙で、読み進むにしたがって四国遍路というものが読者に理解されるように工夫されています。また、著者自身の父親や母親との関係を見つめなおしながらの旅でもあったようで、自分史の要素もある内容です。
著者は、積極的に地元の方々の中に入り込み、会話を引き出しているので、元知事さんや自称画家さんなど、ユニークな人物が次々に登場し、まるで小説のように楽しめます。
この2度目の遍路は、こうした「物語」を作り出すための旅でもあったといえそうです。445ページに及ぶ大冊です。
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