ハービー・山口『フィール・ザ・ヒーリング 彼女がいちばん輝く瞬間(とき)』 (弥生書房,1996年)
ISBN4-8415-0720-5
様々な分野で活躍している女性11人との対談を中心に、著者自身の恋や青春の思い出話も加えたもので、1995年1月から1996年3月までFM放送のJ-WAVEで著者がDJを務めたときの放送内容が元になっています。
著者は写真家ですが、各ゲストに対して、インタビューの最後に、「同性の女性を見ていちばん魅力的に見える瞬間というのはどういうときか」という質問を投げかけています。「目標に向かって一生懸命仕事をしているとき」という答が多いのは、登場するゲストたちが、それぞれの分野で一流になっているだけあってうなずけるものです。ただ、ピアニストの柴野さつきさんの答は「愛されているとき」というものでした。確かに一生懸命になっている姿というのは、男女を問わず共感してしまう部分もあるけど、ときによっては、それがあまりにどぎつくて、「引いて」しまいそうになることもあります。
結局のところ、「何を成し遂げるか」というところに人生の価値を見出すか、「どう生きるか」ということの方が大事なのか、という二者択一を迫られるような気もします。