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掬水の果て > 読書日記 > 私はなぜカウンセリングを受けたのか
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東ちづる 『私はなぜカウンセリングを受けたのか 』 (マガジンハウス,2002年)
ISBN4-8387-1285-5女優の東ちづるさんが自らを「アダルト・チルドレン」であると認識して、母親と二人でカウンセリングを受けた記録です。著者と母親の英子さんがそれぞれ単独で、あるいは二人一緒に受けた合計12回のカウンセリングのうち9回分が収録され、さらに東さん自身や母親がカウンセリングを重ねるうちにどのように変化していったのかが語られています。
東ちづるさんは外見や話し方が一見優等生的だし、出演したドラマもあまり見たことがないのですが、「たけしのTVタックル」に出ていたころ、率直な発言が心に残って気になる人でした。本書を読んで、タレント業以外にも着物のデザインやボランティアなど多彩な活動をしていることを知り、やはり人間的な厚みがある人なんだと納得しました。
その彼女が母親との関係を中心として内なる障害を取り除くためにカウンセリングを受け、しかもそれは出版というかたちで公表することを前提とした決断だったということに衝撃を受けました。僕はたとえ何らかの内なる障害を認識したとしても「健全さ」を追い求めるためにそこまでエネルギーを投入する気力は持てないと思います。
いずれにしても、文字での表現という限界はあるものの、密室でのカウンセラーと患者との間の対話の赤裸々な記録を通じて、この種のカウンセリングのもつ力というものが具体的に理解できる本です。
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