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遍路まんだら 空海と四国巡礼を歩く
村上護遍路まんだら 空海と四国巡礼を歩く (佼成出版社,1986年)
ISBN4-333-01229-5

前項『遊行と巡礼』と同様、修行者たちの行道修行が四国遍路の原型であったろうという仮説を様々な資料を使って検証しています。特に、海岸の高台にある札所の明かりが、漁船に対する灯台の役割を果たしていたという推定などは想像力をかきたてる仮説です。

後半は著者自身の遍路の記録です。1986年の著作ですが、当時「徒歩で歩き通す人は年間百人もいるかどうか」と記されています。

江戸時代の納経帳の写真が掲載されていますが、今と違って楷書で書いてあり日付も入っています。現代の納経では、それぞれ札所ごとに味のある墨跡で「ありがたい」気持ちになりますが、誰かが「読める文字で書いて下さい」と頼んだら「昔からこう書くことに決まっている」と断られたという話を聞きました。ひょっとしたら現代の「納経書き」のおじさんは自分でも何を書いているのか知らないのではと思いたくなります。

〔広 告〕
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