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綿矢りさ 『蹴りたい背中 』 (河出書房新社,2003年)
ISBN4-309-01570-02003年度下期の芥川賞は若い女性2人が受賞したこともあって、いつにない関心を集めたようです。偶然かも知れませんが、この『蹴りたい背中』も、もう一つの受賞作『蛇にピアス』も、身体性を感じるタイトルであることに気がつきます。若い作家の、観念や思想でなく肉体感覚に直結した表現が、現代の感性として受け入れられるのでしょう。
流行に乗って本を買ってしまうのもどうかと思っていたら、妻の友達が掲載誌を貸してくれることになったのでタダで読めてしまいました。
おとなしいストーリーではありますが、奇妙に引き付けられる人間関係が描かれています。この味は前にも体験したことがあります。それは1996年ごろジャンプに連載されていた「幕張」です。やはり高校が舞台で、ストーリーはよく分からないもの、瞬間のつながりだけで構成されたような、乾燥した奇妙な世界がありました。
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