コルネリア・ペラトゥ/ベルナルト・ロイディンガー,赤根洋子訳『ICA-模様石に秘められた謎』 (文藝春秋,1996年)
ISBN4-16-352090-2
最近読みつづけている超古代史モノのひとつです。ペルーのイカ市の周辺で発見されたという無数の丸い石の表面に書かれた謎の絵を中心に、超古代文明の存在を示唆する内容です。数万個以上あると推測されるこれらの石には、手術や、空を飛ぶ機械のようなものや、恐竜などが精密に描かれており、古代史の常識に反する内容が含まれています。ところが、正統派の学者たちはこれらの石を偽造物だと断定して省みないため、本格的な調査が進んでいないということです。
この模様石はダムの工事現場などでも多数発見されているが、全く調査されないままコンクリートの中に埋められつつあります。もし偽物でなく貴重な古代人類の遺産なのだとしたら、マヤ文明を破壊したスペイン以上に野蛮な行為をしていることになります。
標題の模様石の話題だけでなく、その他の様々の証拠から、現代人類以前に「別の人類」がいて高度な文明を発達させていたという仮説を立てています。
疑問文の続く装飾過多の文章ではぐらかされる点がいささか目につきますが、例のペルーの日本大使館人質事件の報道などを見ていると、現地での考古学の研究や取材活動が容易でないことは想像できます。