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木下恂 『プログラマ、石をみがく…ソフトウェア開発の現場から 』 (中央公論社,1998年)
ISBN4-12-002770-8東芝系のソフト会社の役員である著者は、プログラマの大先輩です。私もプログラマとして社会人のスタートを切り、15年近く実際にコーディングにもタッチしていました。今では仕事でプログラムを組むことは皆無となりましたが、プログラミングの快感を味わいたくて、日曜プログラマを続けています。
新規のプログラム開発は一般的には創造的な行為と言うべきでしょうが、「プログラム作りにおいても、時として"発掘"行為ではないかと感ずることがある」という著者の考えに同感です。私も、プログラムを作っていて満足するのは、現実世界の仕組みがそのまま美しいアルゴリズムとして姿を見せたときの感動を味わうときです。彫刻に似ていると思います。ソースコードの一つ一つが、鑿の一打ちです。必要最小限の細工、それが理想です。うまく行かないと、"用は足すけど汚らしい作品"になってしまいます。
参考文献の先頭にKnuth大先生の本が挙がっています。若かりしころは私も美しいアルゴリズムを求めて勉強したものです。
著者のホームページは「Knuhsの書斎」というので、当然、Knuth先生をもじったのだと思ったら「“Shun K(inoshita)”を逆につづっただけですよ」とのこと。オシャレですねぇ。
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