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帚木蓬生 『十二年目の映像 』 (新潮社,1981年)
ISBN4-10-128802-X東大安田講堂陥落の日に,その安田講堂内から撮影したという幻の8ミリフィルムを,テレビ局員が放送設備を乗っ取って放送してしまうという話です。1969年の記憶を引きずる世代の10年後を描いているので,今読むと少し白けてしまうところもあります。反体制側から撮影したフィルムの内容が実質的にどのような意味を持つのかがいま一つ分かりません。そこに何らかの歴史的意味を持たせられれば小説としての実体をなすと思うのですが…
すでに1969年の記憶は薄れつつあり,単に全共闘世代の○年後というだけでは思いが伝わらないのです。
NHK総合テレビの土曜ドラマで最近(10/18〜11/1)放送した「病院」は,医局解体を叫んで果たせずに挫折した全共闘世代の医師が,20年後に缶ビールを飲みながら今さら「一転突破全面展開」なんてつぶやいてみても,何も変わらないということを描いていました。
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