鈴木光司『ループ』 (角川書店,1998年)
ISBN4-04-188006-8/4-04-873095-9
前2作は文庫版を買いましたが、『ループ』は1月に出たばかりなので、まだ文庫化されていません。しかし、3部作ということを知っている以上、どうしても先を読まないと気がすみません。
ということで大枚をはたいて単行本を買いましたが、腰巻きのうたい文句「『リング』『らせん』を超える最高傑作」というのはちょっとどうかな~というところです。『リング』から『らせん』への転換は素晴らしかったので、今回もどんな驚きが用意されているのかと期待したのですが、正直いってこのネタには失望しました。「それを言っちゃおしめえよ」というか「そりゃルール違反だぜ」というか、「それじゃ、何でもありじゃん」というか、まあそういうわけです。
まあ、こういう世界は科学者志望だった僕も夢想したことがあるし、理論的に否定できないとまじめに考え込んだこともありました。でも、3部作の最後にこれを持ってこられたんじゃ、がっかりです。「そういう」とか「こういう」とか抽象的な表現で申し訳ありませんが、ここでネタをバラすのも失礼なのでお許し下さい。読んだ方には通じるでしょう。