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高群逸枝 (堀場清子校訂) 『娘巡礼記 』 (朝日選書,1979年)
ISBN4-02-259228-1遍路の歴史を論ずるとき、必ずといってよいほど参照される大正7年(1918年)の遍路記録です。後年、女性史の研究者として著名になった著者が24歳のときに、逆打ちをしながら約半年にわたる遍路中に、九州日日新聞に連載した記事を、堀場清子さんが発掘・復元してまとめたものです。
こんな昔に、言わば「良家の子女」であるうら若い女性が歩き遍路をしたというのだから、さぞや波乱に富んだ感動の物語であろうかと期待して読んだのですが、率直にいって少しがっかりしました。
荷物は連れの「お爺さん」に持たせ、「注目されるのはいやだ」といいながら、「おできの神様」に祭り上げられてまんざらでもない様子、貧困や不潔への嫌悪など、どうにも「エリート意識」みたいなものが鼻につきます。
ただ、遍路宿で同宿となった遍路の様子や、お上からは禁じられているのに「お接待」をしてくれる地元の人々のふるまいなど、当時の遍路習俗を知る上では貴重な資料といえるでしょう。
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