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私とは何か
上田閑照私とは何か (岩波書店,2000年)
ISBN4-00-430664-7

ブラリと入った地下街の中の本屋で、手にとってみた本です。

気軽に読むには敬遠したくなる書名ですが、はじめの方をパラパラと立ち読みしてみて、歯切れのいい語り口に好感を持ちました。
「『私』ということにはなにか独特なニュアンスが感じられ、はじめからそこに問題が見られている場合が多い。」
とは鋭い視線だと思いませんか。

著者は宗教哲学者であり、本書も後半になってくると難解さを増して、僕としては完全には理解できたというほど丁寧に読み通したわけではありません。また著者自身があとがきで断っているように、序盤で提示した問題点がすべて吟味されているとはいえないと思います。そういう意味では、中途半端な感じがしましたが、ともかく、「私」の問題、自己意識とか客体化について、考え方の枠組みが見えそうな気がしました。

〔広 告〕
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