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加藤典洋 『言語表現法講義 』 (岩波書店,1996年)
ISBN4-00-026003-0新聞の書評で関川夏央氏が「大学にも人材はいるのだ」と絶賛しているので読んでみました。
いってみれば大学生の作文教室の記録のようなものです。文章の「うまい・へた」の評価は、多分に主観的な要素が含まれますが、筆者は自分自身の評価軸を基礎として何とかそれを客観的に表現しようと努力しています。とかく、好き嫌いとか趣味の問題として分析するのをあきらめてしまうような事柄について、あえて正面から取り組んでいるところがすごいと思います。
単なる理論でなく、具体的に実際の学生の作文を紹介しながら、文章が生きたり死んだり、書くことが考えることにつながる瞬間を切り出すところに大変迫力があります。
もちろん、これを読んだからといって直ちに文章表現の技法が身につくわけではないでしょうが、文章を書くことについての意欲をかき立てられる本です。
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