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掬水へんろ館

1999年5月7日
初めての道を徳島目指して

 7時に起床8時出港の伊勢湾フェリーで鳥羽港へ。天気も良く、浪も静かで快適な船旅を満喫し、9時無事鳥羽へ上陸。 当初の計画を変更してロードマップルに出ていたライダーの抜け道R37へ。抜け道と云うくらいだから細い道だと思って、それらしき道へ入って見るが良く判らず、人家 庭先へ行ってしまったり、行き止まりだったり、人に聞いても知らないと云われ途方に暮れる。
 朝からこんなでは、今日はどうなる事やらと心配になる。気を取り直してあっちこっちで聞きまくり、どうにかR37へ進むことが出来てやれやれ。2車線の立派な道だ。
 外宮前で道が余り広くなったので人に聞いて迷いながら伊勢市街(ガソリン2.1g補給)を抜け勢和多気ICへ向かう。
 玉城町10時25分、勢和多気IC10時53分、走っていて「此の道で良いかな?」と疑念が湧いたらスタンド等に飛び込み道を聞く。ガソリンも入れずにスタンドで道を尋ねるのは何となく気 が引けるが、違う道を5〜6分も走ったら何処へ行ってしまうか判らないので、少しでも変だと感 じたら誰にでも構わず道を聞くことにした。この辺の図々しさは昨年の歩き遍路の経験が相当に 役に立って居るのかなあと、我ながら呆れてしまう。
 勢和多気ICの伊勢自動車道の下をくぐり、しばらく行って右折れしR368へ。交差点では何回 も案内板を見て確認したり、良く判らない時は人に聞いたり神経を使う。

道の駅飯高町駅

 飯南町を経て飯高町へ。11時33分道の駅飯高町駅に着き一休み。
 食堂で昼食をとり、11時53分出発。
 再び和歌山街道をひた走る。道路標識が368号から442号、166号と少しの間で変わるので走っていても気が気でない。地図を片手に土地の人を見つけては聞きまくり、難関の高見峠に向かう。カーブの多い山道だが信州育ちの者には大した事もなく高見トンネル(標高2,470メートル)を抜ける。鳥羽より3時間43分100Kmのツーリングだ。山の上は流石に涼しく冬用のジャンパーを着て丁度良いくらいだ。
 トンネルから7〜8q走って左折れし県道?R16(吉野東吉野線)を経てR370号を大淀町に向かう。道路は川に沿って居るので、土地の方に道を尋ねたついでに川の名前を聞いたら「吉野川」と云ったので「あれッ 吉野川って四国じゃ無かったっけ?」一瞬変に思ったが村の名前が東吉野村だから良いのか、と納得した。違う土地に同じ名前の山や川が有ったって不思議じゃあ無いはずだ。此の川について走ればどうやら和歌山に行けるらしい。
 途中道路標識が370号から169号に変わり、再び370号に変わるので頭の中が混乱してしまう。
 しかしとにかく吉野川について走り続ける。山間部は車の数も少なかったが、町や市に近ずくに従って交通量が多くなり事故を起こさないよう特に後ろに気を付けて走る。
 五條市(14時)よりはR24号になり此処まで来れば、もう大丈夫とやっと気が楽になる。
 橋本市(14時20分)辺りまで来ると川も大分大きくなり紀ノ川となるらしい。高野口町辺りで 高野山入り口(14時45分)の標識を見る。帰りは此処から高野山へ登れば良いのかと、辺りを確認して、かつらぎ町へ。
 打田町からいよいよ和歌山市へ入る。和歌山港への道が判らず、例の調子でだれかれ構わず聞き まくり広いバイパスを飛ばし、此の道で良いのかなあと思いながら走った先が港だった。

和歌山港フェリー乗り場

 15時40分着。まだフェリーは有るのか心配しながら乗り場に行くと、16時35分発の船が有り、しかも、今までは小松島へ行っていたのが最近改正になり徳島港発着となったと注意書きが出ていた。思わず「有り難い」と叫んでしまった。
 小松島から徳島まで、夕方の道を迷いながら走るのが、これで解消出来るので本当にラッキーで気が楽になった。
 あまり暑いので日陰に入って休む。乗船を待っているライダーのお兄さんと挨拶を交わす。
 伊勢から南紀を走ってきたそうで、四国へ渡り広島まで帰るのだそうだ。自動二輪は高速を走れるから広島まで今日中に帰れるのかな? といらぬ心配をする。
 2時間の航海で徳島港着。先程のお兄さんは馴れたもので「じゃあ・・・」と云ってもう見えなくなってしまった。さあ徳島市内へ行くのが判らない。
 しかし夕方だし宿の予約が先決だと出発前に調べておいたリストから徳島駅前のビジネスホテルヘ携帯で申し込む。OKが取れ一安心。市内へどういったら良いのか細かな地図がないから見当もつかず、例によって人に聞きまくり、どうにかホテルへ19時到着。 駐車場が無いので近くの駐輪場へバイクを預け、夕食を済ませてから本屋で車用の遍路地図を買って帰る。
 (今日の記録 所要時間12時間 走行距離195Km)

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