著者からのメッセージ
振り返れば四国とは不思議な縁があり、高松、松山に通算3回7年間も勤務する機会に恵まれました。平成3年高松に2度目の転勤。お大師さんとの出会いがあったのはその時のことでした。NHKの文化講演会で、お大師さんの人となりや生き方、考え方を聞いて共感するところが少なからずあって、休日などを利用してお遍路の旅を重ねました。お大師さんとの出会いは40代後半の出来事でしたが、その後の自分の人生にとって大きな影響を与える画期的な出会いとなりました。
お大師さんに出会い、お遍路を重ねる中で、物の考え方や心の持ち方がこれまでと大きく変わり、感謝の心で充実した日々を過ごすことができるようになりましたが、長年勤務した金融機関を定年退職した記念に「遍路で学ぶ生きる知恵」を出版しました。拙著は札所めぐりのガイドブックというよりは、お大師さんやお遍路を通じて学んだ生き方や心の持ち方など、いわば「生きる知恵」のようなものを盛り込んで作ったつもりです。また各札所の末尾にはお遍路さんのすばらしい俳句や川柳も引用・紹介するとともに、読みやすいように写真やカットも随所に挿入しました。感謝の気持ちを込めて「掬水へんろ館」の読者5名にプレゼントさせていただきます。
平成19年春よりはじめた「一国参り」も今秋の「讃岐の一国参り」で一巡することになります。お遍路とは出会いの旅、気付きの旅ともいわれますが、同時に@こだわりのない、おおらかな生き方Aこの一瞬、「現在」を重視する生き方B実践を重んじる生き方などをお遍路を通じて学ぶことであり、それらを日常生活の中で活かしていくことだと思います。これからも健康である限り、お遍路の旅を続けたいと思っています。
(メール:nobuharutakeda@hotmail.com)
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