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掬水へんろ館
平成8年4月

「阪神淡路大震災」から、1年と3ヶ月。「仕事」にも「人生」にも、少なからず「変化」はあったが、徐々に「以前の生活」が戻ってきていた。

「一生涯をかけて、四国をまわりきればいいではないか、急ぐことはない」という人もいたが、「年々体力も衰えている」「人間、いつどうなるかわからない」「今、を大切にしたい」私は、今年もまた、経験値も増した「気候のいい春」に、「遍路行」に出る決心をした。

平成8年『野宿』
4月23日(火)

 昨年の大震災の影響で、四国方面へのフェリーの乗り場が、神戸の青木港から大阪の南港にかわっていた。高知への道のりが、前より少しだけ遠くなってしまった。
 午後11時20分発の「室戸フェリー」に乗り込む。船内の消灯とともに、毛布をかぶって横になったが、頭蓋骨にまで響いてくる船のエンジン音で、身体も神経も揺さぶられ続け、眠れない。疲れていて、とても眠りたい休みたい、だったのに・・。つらかった。

平成8年『野宿』
4月24日(水)[ 晴れ ]

 午前9時40分過ぎ、高知県土佐清水市に到着。バスで祖母の家へ。今回は、昨年歩き終わったこの家から出発する。でも、今日は一日ここでゆっくりさせてもらうつもりだ。
 祖母と語ったあと、近所の家の「ししとう植え」を手伝いに行くという叔母について行って見学したり、なんとなく落ち着かず、ウロウロしていると、畑でずっこけてひどく手をすりむいた。何やってんだか。
 明日からまた「一日中歩く生活」がはじまる。
「三原」で泊まるか、「平田」までがんばるか悩むところだ。16キロと28キロの違いは大きい。その途中には宿はない。 

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