遍路トピックス [2003.4.26] 鎌大師堂の手束妙絹さんが引退 | by くしまひろし |
広 告 |
愛媛県北条市にある番外霊場・鎌大師堂の庵主・ 手束妙絹さんは、1909年(明治42年)生まれ。幼い時期を台湾で育ち、その後、東京や名古屋に暮らし、結婚・出産を経て、終戦後、身一つとなられました。 遍路中や、庵主となられてからの様々な人との出会いは、その著書『人生は路上にあり』、『お遍路でめぐりあった人びと』、『堂守日記 花へんろ一番札所から』などに語られています。 鎌大師堂は、53番札所から54番札所に向かう途中にあり、車遍路の人々は、ほとんど国道196号を走り抜けてしまいますが、
僕は、これまでの2巡の遍路で、幸いなことに2度とも手束さんとお会いすることができました。1度目は1998年夏、酷暑の区切り打ち1日目で、ちょうど大師堂でお祭りがあった翌日にあたり、お疲れの様子でしたが、「余り物だけど」とサイダーをご馳走になりました。「こんな暑い時期に歩くのは体に毒だよ」と諭されたのを覚えています。2度目は、妻と歩いた2001年12月末。暮れも押し詰まり、地元のお茶やお花のお弟子さんたちが集まっておられる中、貴重なお時間を割いてお茶やお菓子のお接待を頂きました。 手束さんはお遍路さんとの触れ合いを次のように記しています。
最近の例では、石山未已『幸せはどこにある』に、白血病の告知を受けながら歩き遍路を続けた著者が、手束妙絹さんとの出会いを通じて、自分を取り戻していく様子が描かれています。 |