掬水へんろ館
談話室メール
掬水へんろ館Beautiful Aging誌のインタビューくしまひろし

インタビュー取材は、2000年8月7日に行われた。仕事を定時に片づけて日経事業出版社に向かう。立秋のこの日、全国的に悪天候であったが、東京地方も午後から大荒れで、夕方には東京湾に竜巻が発生するというとんでもない状況であった。

職場の隣のビルからは直接地下鉄への通路が通じているので、幸い濡れることもなかったが、約束の午後7時前に地下鉄淡路町に着いたときには、地上に出る階段から、滝のように雨水が流れ込んでいた。地下にまで伝わってくる激しい稲光と雷鳴にビビる。しばらく天候が静まるのを待とうかとも思ったが、約束の7時まで数分もなく、また納まる様子もない。

思い切って折り畳み傘を広げ、通りに飛び出すと数歩歩く間にズボンはずぶ濡れ、路上を流れる深さ数センチの水に革靴がつかるのをよける余裕もない。コンビニの軒下などをつたいながら何とか、日経淡路町別館ビルに駆け込んだ。エレベータに乗ると、やはりびしょ濡れ状態の女性が駆け込んできた。なんとこの方が、今回の記事を書いて下さるフリーライターの鈴木恵美子さんだった。荻窪の自宅を出るときは降ってなかったので、傘を持たずに出たという。

ライターの鈴木さん(左)、
日経事業出版社の鳥山さん(中)、堀井さん
遍路と読書、インタビューは多岐にわたる

取材に加わったのは、ほかに日経事業出版社・編集グループの、鳥山亜由美さんと堀井亜希さんの二人。ライターの鈴木さんはブラウスの後ろが雨でぴったり背中に張りついていて、風邪をひくのではないかと心配になったが、カーディガンを羽織っただけで取材開始。まずお弁当で腹ごしらえをしてから、ホームページ作成の動機や、四国遍路の魅力などについて質問が始まった。

「Beautiful Aging」は、民間企業で組織した社団法人「ビューティフル エージング協会」が発行している季刊雑誌で、会員企業の定年前後の方を中心に配布している。今回の企画は、「BA(Beautiful Aging)世代の読書術」という特集の中の一つとして、定年前後の男性に読書の楽しみ方を提案するものだという。

元々は、「掬水へんろ館」の親サイト「掬水の果て」の「読書日記」に対する取材申込みのようだったが、僕の勝手で四国遍路中心の内容にしてもらった。

取材に先立って、お勧めの本を数点持ってきて欲しいという依頼があった。「掬水へんろ館」の「遍路の本」のコーナーには、40点以上の出版物を紹介している。「お勧め」といっても様々な観点があるので、絞るのに苦労した。

色々と考えた末、遍路体験記としては、女性が書いたものを中心に比較的入手しやすいものとして、5点を選んだ。

これに、研究書として、谷口廣之『伝承の碑』と、ガイドブックとして、僕が四国遍路を始めるきっかけとなったJTB『四国八十八ヵ所めぐり』を加えた7冊をカバンに詰め込んで持参した。記事ではこのうち5冊が紹介されている。

僕自身は、この雑誌の対象読者層である「定年前後」には、まだ多少の間がある。しかし、「掬水へんろ館」の宣伝になるならと取材を引き受けた。今のところ、この記事を読んだ方からの反応はまだないが、「お四国病ウィルス」を広める効果を期待している。

編集部の鳥山さんは、近々ご結婚されて四国に移り住む予定だそうだ。この取材のことをふと思い出して、四国を歩く遍路たちに言葉の一つもかけて下さることになればうれしい。

掲載記事: Beautiful Aging NO.17 (pp.5-6)

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