掬水へんろ館体験的・遍路百科談話室メール
掬水へんろ館野宿 (のじゅく)

野宿の意義

歩き遍路の中でも、野宿遍路はより苦難の程度が高いので、「修行」目的で挑戦される方があります。また、宿泊費用の節約を目的にする方もあります。空海が四国を巡ったときには、当然野宿が中心だったはずですから、遍路を「弘法大師の足跡をたどる修行の旅」と意味づけるならば、宿に泊まるなどとんでもなく贅沢なことであり、野宿が当たり前ということになるのでしょう。

「宿が満員でやむを得ず一晩野宿」という程度ならともかく、野宿を基本にした歩き遍路には

といった様々な困難が伴います。その一方、宿泊施設の地理的な条件に縛られないで自由な行程で歩くことができるという利点があります。

経験者からのアドバイス

ところで、僕自身は野宿は経験がありません。経験者の方々のお話からすると、場所探しに始まって、入浴や洗濯などそれぞれ苦心されているようです。そこで、1999年6月から7月にかけて、「夏の野宿遍路」について「談話室」に頂いたアドバイスをまとめてみました。詳しくは元の発言を読んでみて下さい。

99/07/09 のりこさん 99/07/05 閑林堂さん 99/06/18 閑林堂さん 99/06/13 瑛行さん

野宿の遍路体験記録

インターネット上で読める下記の体験記も参考になります。

建物利用の注意 [2001.1.28 追記]

「野宿」といっても、いわゆる「野営」ではなく、お寺や神社のお堂、バス停小屋、駅や倉庫の軒下などを借りて夜を明かすことも多いと思われます。建物を利用する場合には、管理者(不明な場合は少なくとも近隣の住民の方)に了解を得ておくことが必要です。

また、月刊誌「四国へんろ」(廃刊)によれば「各霊場では、過去何度となくお遍路さんが通夜しているお堂からの出火で、堂塔伽藍を焼失」しているとのことです。焚き火、自炊、喫煙は避けるべきでしょう。

蛇足

野宿について慎重な意見も紹介しておきましょう。歩き遍路を2巡半した俳優の萩原健一さんは

「野宿だけはいけません。疲れが翌日に残るし、その結果、他人に迷惑をかけることになる」

とまで言っています。

もちろん、アウトドアの経験、体力、年齢、性別などによって条件は異なるのは確かです。ただ、遍路中の野宿というのは、キャンプ場のように設備の整った場所で寝るわけではないし、何日も続くのだということは十分認識しておくべきです。上記の石原瑛行さんのように、前もって一晩予行演習をしてみるというのもよいかもしれません。

あまりこだわるのでなければ、閑林堂さんも書かれているように、何日か野宿、ときどき宿に泊まって体調を整えゆっくり洗濯・入浴、というパターンが現実的です。

女性の野宿について [2002.5.13 追記]

過去、野宿をまじえた歩き遍路の女性もありましたが、ここ数年、遍路の状況も変化しています。現時点では、女性の野宿はお勧めできません。人を信じ易いという遍路の特質を利用して、女性の歩き遍路を狙った犯罪が実際に発生しています。また、遍路の一部には、遍路姿や僧の姿をしていても信用してはならない人物もあります。

野宿と言っても、様々な状況がありますので一概に否定するのは乱暴かも知れませんが、「お四国だから安全が保証されているということはない。逆にそこに付け込む者もある」ということを認識したうえで、行動していただきたいと思います。

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