掬水へんろ館体験的・遍路百科談話室メール
掬水へんろ館区切り打ち (くぎりうち)

区切り打ちとは

四国八十八カ所の1番から88番までの行程を何回かに分けてお参りすることを「区切り打ち」と呼びます。これに対して、通して行うことを「通し打ち」と呼びます。

交通機関の発達していなかった時代には、区切り打ちなどということは現実的でなかったでしょうが、現代では、日本のどこからでも1日あれば四国に入れるわけですから、区切り打ちの方法によって歩き遍路が誰にでも実行できるようになったといえるでしょう。

仕事や家庭を持つ一般人が日常生活を放棄して、数十日にわたって遍路を実行することは実際には困難です。でも、1週間ぐらいずつ数回に分けてしまえば、日常生活へのインパクトは海外旅行に何回かでかけるのと変わりません。

「通して歩いてこそ本来の遍路だ」という意見もあります。しかし、試しに1週間ぐらい歩いてみて、その結果によって続きを歩くかどうか決めよう…というふうに、気軽に歩き遍路に挑戦できるのも「区切り打ち」という方法が一般に受け入れられているからです。

実のところ、僕自身、現役のサラリーマンですから、通し打ちはしたことがありません。5月の連休や夏期休暇や年末年始休暇などを利用して7日間ぐらいの休みを確保し、6回に分けて3年がかりで結願しました。区切り打ちでも遍路体験の本質的なところは十分に味わった積もりです。とはいえ、通し打ちは僕にとって将来いつかは取り組みたい楽しみの一つです。

区切り方

第1回は1番から19番まで、第2回は19番から23番までというふうに、前回の終点を次回の始点として継続するのが原則です。接続点の札所では2回お参りすることになりますが、終点のときは今回の旅の無事を感謝し、始点のときは新たな旅への決意と旅の無事を祈願するということになりましょう。納経も2回行います。2回目は、「重ね印」を頂きます。(体験的・遍路百科「納経」参照)

区切り打ちでは、終点となった札所から自宅に戻り、次回はまたその地点まで来る必要がありますから、区切りとしては交通の便の良い札所を選ぶべきです。JRの駅が近くにないと、区切りとなった札所への往復で半日ずつかかってしまうことになりかねません。区切り打ちをする方は時間的に余裕のない場合が多いのですから、ここが工夫のしどころです。

どうしても、往復の便が確保できないなら、札所と札所の間を区切り点にするのもやむを得ないかもしれません。僕は「重ね印」は好きになれないし、時間的な問題もあって、2度目は札所を遠くから拝むだけにしたり、前回の最寄りのバス停からそのまま次の札所に歩き始めたりしました。歩き行程としてスキップはしてませんが、厳密なルールからいうと少しはずれているかもしれません。

「打つ」とは

ところで、この「打つ」というのは、昔の遍路が使った「納札」は木で出来ていて、その納札を札所の門や堂に釘で打ちつけて回ったことから、お参りすることを「打つ」と呼ぶようになったということです。今は言葉としてだけ残っていて「1番を打つ」などと使います。また札所への往復に同じ道を使う場合に「打ち戻る」とか、逆コースに回ることを「逆打ち」などと言います。

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