掬水へんろ館体験的・遍路百科談話室メール
掬水へんろ館掛け連れ (かけづれ・かけつれ)

「掛け連れ」とは

遍路の途中で偶然出会った他人同士が連れになって歩くことを掛け連れと言います。

見知らぬ土地をひとりで行く歩き遍路は、何かと心細いものです。連れがあれば色々と助け合うこともできます。道しるべも、二つの目で確認するより四つの目で見た方が見逃しも少なくなるでしょう。気の合う同士なら、話もはずんで楽しい旅になりそうです。

マイナス面も…

しかし、この「掛け連れ」にはマイナス面もあります。歩く速さ、休憩の頻度、食事の取り方など、人は千差万別です。日常生活の中で、ちょっとそこまで連れ立っていくのとは状況が違います。歩き遍路の場合は、重い荷物を背負い、毎日体力の限界近い状態で行動しているので、他人に合わせるというのはストレスの元になります。あなたは余裕たっぷりでも、先方はギリギリかも知れません。何となく掛け連れとなって数時間、あるいは数日間行動をともにした結果、無理を重ねてしまったというケースをよく聞きます。

何日も歩いていると、他人と一緒に歩くことの難しさが分かってきます。

また、個人個人の体調も不思議な変動があるものです。疲れているはずなのに、どんどん足が前に出ていくときもあれば、訳もなく疲労が押し寄せてくることもあります。遠慮なくコミュニューションできる間柄ならばいいのですが、元々他人同士ですからどうしても遠慮や気遣いが先に来て、ますます言いだせなくなりがちです。

どうするか

掛け連れは、宿で一緒になった翌朝とか、道端で休憩しながらおしゃべりした後など、何となく一緒に出発するような成り行きで出来上がります。わざわざ別行動を取るのも冷たいような気がして、連れ立って歩き出してしまうのです。

でも、僕は、原則として掛け連れが続くことは避けるようにしています。連れになっても、次の札所で、また休憩したときに、さりげなく自分が先に、あるいは相手が先に出発するようにしています。

どうするかは人それぞれですが、少なくとも、相手に掛け連れを押しつけないように気をつけましょう。そうは言っても、遍路同士のおしゃべりは楽しいものです。次の札所や宿が近いときに、「〜〜まで一緒に行きませんか」と誘って歩くといいと思います。

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