四国遍路へんろみち保存協力会


へんろみち保存協力会宿泊所ご利用のアドバイス

 ここ2・3年急激に四国霊場を徒歩巡拝する人が増えてまいりました。
 そこで、一番の関心事であり難関は宿泊施設の利用方法にあります。
 四国霊場八十八ケ所は、小都市や郡部にその多くが点在しておりますので、宿泊施設は総じで少なく、その規模・収容力も小さいのが実情で、3〜5月、9〜10月の繋忙シーズンには宿泊できない遍路があふれることが心配されます。急に改善できる見込みはありません。

 そこで徒歩遍路の皆様方にご理解頂きたいのです。一人一室の宿泊は無理で、お互いに譲りあい、かばいあう「相部屋」の宿泊をして戴くようにお顧いします。
 遍路は昔から「先着優先・相部屋原則」を不文律としで守ってきたのです。不慣れな環境を体験するのも遍路修行です。見知らぬ同志一夜を共にするのもお大師様のおはからいとこころがけてください。
 どうしても一人1部屋でないとだめだという方は、歩きをあきらめ車でお巡りなさい。

1. 宿泊の予約は出来るだけ早期に、「相部屋OKです。」と伝えてください。

 繁忙シーズンに、一人遍路の予約はきっと「あいにく満員です。」と断られるでしょう。旅館の私的都合もありますが、この時期売上増加にならない客は敬遠されがちだからです。

 予約の要領としては、次のようにされるのが良いでしょう。

「私は○県○市の歩きの遍路氏名○○です。今○○にいます。○月○日宿泊予約をお顧いします。男性(または女性)○名です。相部屋でもかまいません。当日○時ころ到着します。到着が遅れそうになれば早めに電話連格します。日程変更や体の具合歩で泊まれそうもないときはすぐにお断りの電話をします。○日(2〜3日前がよい)にもう一度確認の電話をします。」

 ※旅館はいつでも泊まれるという甘い考え捨てて下さい。旅館とその家族にも冠婚葬祭・病気怪我・入院や見舞い・旅行などいろいろ私生活上の都合があります。

2. 宿泊予約の取り消しは、できるだけ早めに、その日の取り消しは午前中に。

 電話をかける時間帯は、午前8時まで、昼12時〜13時、タ刻5〜7時がよろしいでしょう。
 旅館では、午後3時には夕食の支度にかかります。お昼までに通知しましょう。
予約したまま当日宿泊しないときは、旅館と自分の予約のために泊まれなかったお客の両方に多大のご迷惑をかけます。そのまま放って置くような人は、もう遍路でもなく修行にもなりません。
 弘法大師のお顔に泥を塗り、貴重な時間とお金の浪費、ヒマつぶしの放浪旅に終わるでしょう。

3. 一番気がかりの「貴重品」の始末

4. タクシー利用で臨機応変の処置を

 どうしても目的地の旅館に泊まれないときは、当日歩行予定の所まで歩きタクシーを呼んで泊まれる旅館まで行きます。路線バスがあれば利用しましょう。翌朝タクシーで前日の元の位置まで引き返し、そこから歩き始めます。タクシー14、5分も走れば10キロ先・横・後の旅館が数多く選ぺます。
 予約旅館にタクシー会社を紹介してもらい、理由を述べて配車予約をしておくと安心して歩けます。

5. 宿泊・食事の不満はグッとこらえて旅発ちましょう。

 遍路の旅は我慢の旅です。いびき・歯ぎしり・近隣の騒音・寝具の不備・食事の好み等、不愉快なことに遭遇することもあります。遍路は道中修行です。「修行」とは一口に言うと『我漫すること』です。「そうだ!これも修行、今は我慢のとき、しんどい目をしに来ているんじやないか、こんなことで腹を立ててどうする。今こそどうすべきか、お大師様からおさとしをうけている大事な時なんだ。」と考え、不平・不満の愚痴こぼしや怒りをぐっとこらえて出発しましょう。お大師様からきっとご褒美を戴けます。

(2000年1月)

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