掬水へんろ館遍路日記第1期前日翌日談話室メール
掬水へんろ館四国遍路ひとり歩き 第1期くしまひろし

第2日(5/12) 3番〜8番

いよいよ本格的に歩行開始

kendo
1番,2番沿いの県道
前日、菅笠を買うのを忘れたので6:30に出発、きのうの門前一番街に行ってみるともう店の人がいたので買うことができた。ひもを結ぶのが意外とむずかしい。荷物などをしばるときと逆の方向になるので、結んだつもりがそのままほどけてしまったりする。やっと結べても何となくゆるいので、大型トラックなどが通り過ぎると笠が飛びそうになる。一度じっくり結び方を練習しよう。

今日も良い天気だ。上半身は、菅笠、白衣上、輪袈裟を着けている。ザックを背負い、ウェストポーチを付け、下半身は、普通のズボンとトレッキングシューズである。すなわち、上半身だけの遍路スタイルである。

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第3番 金泉寺
昨日のうちにお参りを済ませた霊山寺と極楽寺の前を通過する。県道の周囲には、桃畑と水田が広がっている。極楽寺のところで県道からはずれ第3番金泉寺に向かう。金泉寺の山門は工事中で脇の方から入る。納経所で道を尋ねると、歩き遍路の人のための地図をくれた。金泉寺から第6番安楽寺までの道順がくわしく地図に記されている。これは目印などがきちんと記されていて大変分かりやすい。
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初めてのへんろ道 第4番 大日寺
途中から、舗装道路を離れていかにも「へんろ道」というような雰囲気の細道に入り、雑木林の中の細道や、水田の畦道を1キロぐらいわくわくしながら歩く。道の左右には要所要所に、遍路道を示す札や布切れがついていて分かりやすい。が、これも第4番大日寺近くで終わりである。

大日寺の納経印は墨字の部分も木版スタンプだった。版画のように版木に墨をつけて、納経帳に押す。留守番の人なのかなとちょっとがっかりしたが、ここの納経が手書きでないというのはいつものことで、結構有名な話らしい。

地蔵寺で一休み

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五百羅漢
9:30第5番地蔵寺には、裏から入るかたちとなり、まず奥の院の五百羅漢を見学した。拝観料200円。いろんな顔が並んでいる。その中には必ず亡き人に似た顔があるというが、僕の場合は、自分自身に似た顔を見つけた。羅漢堂の中はひんやりとして気持ちがいい。また、コの字型の羅漢堂に三方を囲まれた庭は広々としていて石のテーブルと椅子がいくつか置かれている。たんぽぽが咲きみだれ、ほっとする空間である。一日中でもくつろいでいたい感じだが、そうもしていられない。

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第5番 地蔵寺
地蔵寺境内の大銀杏が見事である。靴を脱ぎ、大樹の根に足をあてて生気を分けてもらう。奥の院の羅漢堂も、ここも、本当に気持ちの休まるいい空間だ。

遍路スタイルの効用

安楽寺まで3番でもらった地図で確認しながらいくが、ほとんど一本道なので分かりやすい…と思ってどんどん歩いていると、安楽寺の約1キロ手前で右斜めの道に入るべきところ直進してしまった。すぐに、そのへんのおじさんが「そっちじゃないよ」と声をかけてくれた。おっと危ない危ない…。やはり遍路スタイルの服装をしていてよかった。 また、遍路姿で歩いていると小学生が声をかけてくれる。きっと学校で教えているのだろう。笠をかぶって白い服を来た変な人はこわくないからあいさつしないさいとか…
「こんにちは」
「こんにちは」
「がんばってください」
「ありがとう」
「わぁ、ありがとうだって〜(笑)」
(何か答え方のルールがあるのかなあ)

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第6番 安楽寺
12時ごろ、第6番安楽寺に着く。

ここでカメラのシャッターを押してくれたご婦人は、なかなか写真を心得ている方だった。

団体バスで巡拝中のご婦人

お寺全体が入った方がいいでしょ。もっとこっちに来て…。
(まあ、適当でいいですから…)
折角とるんですから。みんなね、お寺の近くに立っといて、お寺全体を入れようとするから、人がうんと小さくなっちゃうのね。こういうふうにすると人も大きく写せるから…

私もいつか歩いてみたいけど。今回は他の用事でたまたま四国に渡る機会があったから、道だけ覚えようと思って最初の方だけバスで回っています。じゃあ、お気をつけてがんばって下さい。

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第7番 十楽寺
12:30に第7番十楽寺に着いた。予定よりかなり早い。第2番まで前日のうちに済ませておいたし、まだ昼食をとっていないからだ。だけど僕がまじめに巡拝していないせいもある。本当は、灯明(ろうそく)、線香をあげて、般若心経などを唱えなければならないのだが、僕は賽銭を入れ鐘を鳴らし、手を合わせているだけである。経本も買ったのだからまじめに読経しようかと少し反省する。しかし、仏教を信仰しているわけでもないのに形だけ合わせるのはかえって失礼だとも考えてしまう。

遅い昼食

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うどん屋さん
ところでそろそろ昼食にしたいのだが、食堂というものは見当たらない。あるのは酒屋と薬屋と美容院ばかりである。食料品店はお菓子屋しかない。

ようやく第8番熊谷寺に向かう途中でプレハブのうどん屋を見つけた。外では花や植木を売っている。もう13:30、腹ぺこである。「たらいうどん 500円」を注文して一息入れる。お冷やがうまい。一気に飲み干す。黙って次の一杯を持ってきてくれるのがうれしい。うどんが出来てきて、ずるずる食べていると、もう一枚もってきてくれる。もともと2枚組なのか、これがいわゆる「お接待」なのか分からないが、ちょっと食べきれない。悪いけど2枚目は半分残してしまった。

たみや旅館でほんものの「宿帳」に出会う

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第8番 熊谷寺
今晩泊まる予定のたみや旅館の前を通って熊谷寺へ。

お参りを済ませ15:30にはたみや旅館に着いてしまった。道路に面した建物は締切りになっているが、「お遍路さんは裏の民家においで下さい」と貼り紙がしてある。庭に入っていくと犬が激しく吠えて噛みつかんばかりである。やっと宿の奥さんが出てきて助かった。杖をあずかり洗って部屋に入れてくれる。金剛杖は弘法大師の身代わりなので、本人より先に足を清め、床の間など部屋の上座にお休みいただくことになっているのだ。

玄関に、昨日民宿阿波で一緒になったKさんのスニーカがある。きょうのお客は二人だけのようだ。

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たみや旅館の客室
夕食後、門前一番街で買った菅笠の修理をする。頭にのせる輪の所に凹凸があって、薄い頭髪を通して頭皮に当たり痛い。救急絆創膏で何とか補修をして快適になったが、持ってきた絆創膏10枚の半分くらいを使ってしまう。今のところ足にマメはできていない。

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たみや旅館
部屋の壁に「ご休憩の場合でも寝具を使った場合は宿帳の記入をお願いします」とある。ここの宿帳は、ホテルで使っているような単票式のものではなく、ずっしり分厚い、映画で見るような、本物の「宿帳」である。ページをめくれば以前に泊まった人の住所・氏名・年齢・職業などもみな分かるので興味津々である。プライバシーの問題があると思う。前泊地は「霊山寺」、行き先は「遍路」という人が大部分である。でも皆さんが真実を記入しているとは限らない…。60代の人が多いが、中に若い人もいる。今回泊まった宿の中では、形式を問わず宿帳の記入はここだけだった。

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