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歩けたぞ 六万キロ 全国行脚二千日
篠崎由吉歩けたぞ 六万キロ 全国行脚二千日 (柏樹社,1988年)

1902年(明治35年)生まれの著者が、献体の呼びかけを目的に全国を行脚した記録です。著者は、ご本人の体験や身近な方の死などから現代医療への疑問を抱き、献体の普及を志したのですが、それが、ふとしたことで始めた徒歩巡礼と結びついたのです。

1974年(昭和49年)、当時71歳の著者は物見遊山気分で四国霊場の巡拝バスに参加します。見るもの聞くもの珍しい旅を続けるうちに、歩き遍路こそが本来の姿であろうと思うに至り、四国のほか、西国・秩父・坂東の百観音も徒歩巡礼でお参りするようになったとのことです。

その後は、献体の理解を広めることを目的として北海道から沖縄まで全国の徒歩巡礼を繰り返し、本書執筆時点で通算2000日、6万キロを歩き切りました。四国遍路での体験はもとより、ふだん巡礼など訪れるはずもない全国各地での苦難や出会いが語られています。

全国を歩くのに使う地図は国土地理院の20万分の1、「こまかなことは現地の方にお尋ねするのがいちばん」「どんなに間違ったところで、日本の外へは出ない」という達観は年齢と体験から来るものでしょうか。見知らぬ土地で宿を探すには消防署に尋ねるといいそうです。(宿泊施設は消防署に届け出がされているため)

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