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弘法大師空海は生きていた -四国霊場1400キロを歩いて-
久保田豊・久江弘法大師空海は生きていた -四国霊場1400キロを歩いて- (なかみや出版,1999年)

静岡県で農業を営む65歳と64歳、二人合わせて129歳夫婦歩き遍路の記録です。1996年(平成8年)3月から11月まで、春夏秋冬4回に分けた区切り打ちで、のべ61日をかけた旅です。

奥様は健脚だが、ご主人は肥満気味かつ偏平足で自信がないとのことで、事前に徐々に距離を伸ばしながら歩行訓練までされています。

「四国遍路発願の心の準備を何時頃からし始めたかは、確たるものがなくはっきりとしいない」とのことですが、直接的な契機は娘さんが嫁いでまもなく亡くなられたことにあるようです。電車・バス・タクシーを乗り継いでの西国巡礼を果たしたあと、ごく自然に、ご夫婦で歩いて四国八十八ヶ所巡礼をしようという気持ちになったようです。

遍路日記以外に、「四国霊場と遍路文化」や「遍路の心得と準備」といった解説記事のほか、「歩き遍路の取って置きの話」として、OLから尼僧に転身して遍路修行をする女性の話など遍路中に特に心に残ったエピソードが詳しく書かれています。

農業という仕事柄、各地の作物を興味深く観察しておられるほか「ほ場整備事業(田んぼ作り)が大型建設機械を唸らせてやっていたが、近くには荒れ放題の田んぼがあちらにもこちらにも」と、役所仕事に一言呈しているカ所も見られます。

文章を書いたりまとめたりする経験はなかったそうですが、息子さんから手ほどきをしてもらったワープロがあったからこそ書き上げることができたと述べています。しかし、簡潔で読みやすく、一つ一つの出来事が素直に伝わってくる文章です。

本書は書店では取り扱っていないため、下記の著者あて直接電話、FAX、またはハガキで注文して下さい。代金(送料込み2230円は後払いです。

なお、売り上げ益は、全額をへんろみち保存協力会の「平成遍路石建立資金」に寄付することにしているとのことです。

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