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僕が遍路になった理由(わけ) 野宿で行く四国霊場巡りの旅
早坂隆僕が遍路になった理由(わけ) 野宿で行く四国霊場巡りの旅 (連合出版,2000年)
ISBN4-89772-163-6

同級生たちが就職活動に走り回っていた大学4年の夏、歩き遍路に出た著者が、夏休み中の小学校などで野宿しながら、52日かけて四国を巡った体験を綴っています。

著者は、「自分に正直に社会人として生きていくことができるのか」という疑問や不安を抱えて歩き出します。初日に通りすがりのおばあちゃんに合掌されたときから、一人前の遍路としての旅が始まります。

白衣に身を包んでいるからこそ巡り合えた人々との、珠玉のような一期一会の数々を通じて、人間社会における現実感を取り戻していく様子がうかがわれます。

遍路に出る前、弘法大師とは最澄のことと思い、仏教徒でもなかった青年が、なぜ遍路となったのか、書名が求める設問への答は直接には示されていませんが、この旅自身がその答だったとも言えるのでしょう。

寂しい山道より雑多な街を歩く方が楽しいと思い、ユースホステルで同宿となった女性たちと鵜飼見物に心ときめかす、若者らしい率直な感性で語られる道中記は、気軽に読めて、それでいて遍路の感動のツボを押さえています。223ページのソフトカバーとしては、ちょっと高い価格設定ですが、体験者にお勧めです。

著者は1973年生まれ、1997年に「旅マガジンDIG」を企画・創刊して編集長をしているとのことです。

くしまひろし

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