掬水の果て読書日記書名索引著者索引

掬水の果て > 読書日記 > 還暦のにわかおへんろ 35日・1200キロを歩いて私が見つけたもの


還暦のにわかおへんろ 35日・1200キロを歩いて私が見つけたもの
原田伸夫還暦のにわかおへんろ 35日・1200キロを歩いて私が見つけたもの (新風書房,1999年)
ISBN4-88269-415-8

1937年生まれ、広告制作会社に勤務していた著者が、1997年12月にリタイアし、1998年4月から5月にかけて通しで歩いた記録です。

この時期は、僕が40番から53番を歩いた時期とちょうど同じで、著者は僕より2〜3日早く同じところを歩いています。大洲を出た国道沿いに設置されていた女の子による無人のお接待や、早朝、小田町から久万町へ歩く途中、新聞配達の方から朝刊のお接待を受けるなど、ほとんど同一の体験があり格別の思いで読みました。

また、多くの人々との出会いに支えられて達成した旅をふり返って、今後「お四国という日常」をこれからの自分自身の「日常」にしたいとの言葉に、遍路で得たものが凝縮されているようです。

一方、納経帳を投げ返す乱暴な坊さんを例にあげて、「三十五日間の『お四国体験』で、お寺の外で不愉快な思いをしたことはほとんどなかったが、納経所の周辺では『嫌な感じだな』という思いをしばしばさせられた」と述べています。

僕も、「お四国」は「点」と「線」で構成される「四国八十八カ所」の「線」の上にのみあると感じており、何年も前の遍路紀行文にも同様の指摘があるのに、お寺の側に一向に反省が見られないのは残念です。

〔広 告〕
この本を買う→
 

Amazon
[読書日記] 目次に戻る (C)1996-1999 くしまひろし