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谷口廣之 『伝承の碑(いしぶみ) 遍路という宗教 』 (いしぶみ) 遍路という宗教』 (翰林書房,1997年)
ISBN4-87737-004-8四国遍路の習俗を、歴史的な経緯から現代に残る意義を含めて考察しています。前半、ハンセン病患者たちが死ぬまで四国を回り続けたころ(そんなに昔の話ではない)の思い出を語る住職の言葉など、迫るものがあります。また、祈願成就のため自分の指を切って札所に供えるというエピソードが小説『死国』に出て来ますが、そういうことが本当にあったようです。
遍路と地元民との関係、特に「厚遇」と「忌避」の二重構造、「お接待」の相互的な意義などについての分析は、自分自身が歩き遍路を通じて体験してきた事実と重ね合わせてみると、納得できるところ大です。
また、僕自身が歩いて遍路をしていて出会うのは、四国の外から来た人々ばかりで、四国在住の歩き遍路には一度も出会ったことがないというのを不思議に思っていましたが、この本を読んで、その謎が解けたような気がしています。
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