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四国遍路托鉢野宿旅
近藤優四国遍路托鉢野宿旅 (文芸社,2004年)
ISBN4-8355-6986-5

歩きや自転車などでこれまでに7回結願された著者(昭和15年、岡山県生まれ)の遍路日記です。歩き遍路は2回で、本書は2回目の2002年(平成14年)4月29日から6月10までの巡拝体験を中心に、過去の遍路の思い出などを交えてつづったものです。

泊まりは大半が野宿で、出発前に用意したお金は、四国に渡る交通費と初日分の納経料、食事代のみ。2日目以降の食費や納経料等はすべて道中修行としての托鉢で賄っています。

日記では、毎日の托鉢修行の様子に加えて、区切り打ちの遍路との出会いと別れ、十数年前の遍路の途上でお世話になった方の未亡人との邂逅、娘遍路との交流に若やぐ気持ちなどのエピソードが、厳しい中にも心温まる情景を作り上げています。

僕は1巡目の区切り打ちの途中、著者の近藤さんに2度出会っています。1度目は、1997年12月に足摺岬近くで、次は翌年5月に内子町の先でのことでした。いずれも近藤さんは自転車遍路中でした。近藤さんが歩き遍路をされたのはこれより後のことですが、何度も遍路を重ねた近藤さんの托鉢野宿旅は、単に節約のための質素旅ではなく、確固たる信仰心に裏付けられて自己を律するためのものであることが分かります。

托鉢修行を続ける日々には、つらかったりみじめだったりした体験もあったと想像されますが、本書には札所関係者のきつい言葉も「ありがたく」受け止める著者の敬虔な信仰心が満ちています。

〔広 告〕
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