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幸せはどこにある 白血病を宝に変えた歩き遍路
石山未已幸せはどこにある 白血病を宝に変えた歩き遍路 (新風舎,2002年)
ISBN4-7974-2230-0

著者は、夫婦で観光を兼ねた車遍路の途中に、ひとり歩きの女性遍路をみかけたことがきっかけで、自らも歩き遍路を志します。教師という職をもつ著者の区切り打ちは、初めはウォーキングの延長の感覚ですが、次第に四国の人々との出会いに魅了され、区切り打ちを続けていきます。

ところが、3度目の区切り打ちで37番岩本寺まで歩いて帰宅した著者は、白血病の告知を受けます。遍路旅は、一気に人生の意味を問う重い旅に変質します。春・夏・冬の休みを利用して、インターフェロンを打ちながら、10キロ以上の荷を背負って歩き続ける著者の姿は壮絶そのものと言えるでしょう。

路上で出会った老人に鎌大師に立ち寄ることを勧められたことから、手束妙絹尼との交流が生まれ、その後も何度となく鎌大師を訪れて、その問答のなかから著者なりの納得を見出していきます。

教師としての著者は、自らの病気についても生徒に明かし、授業で「数年しか生きられないと言われて、どう考えるか」といった主題についても議論を交わしたり、「相談室だより」を通じて「今を大切に」というメッセージを伝え続けています。

なお、東洋大師で出会い、季節を隔てて白浜海岸で再会した「Kさん」というのは、『のらくら遍路日記』の北村香織さんのことです。

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