掬水の果て読書日記書名索引著者索引メール

掬水の果て > 読書日記 > 詩国へんろ記 八十八か所ひとり歩き 七十三日の全記録


詩国へんろ記 八十八か所ひとり歩き 七十三日の全記録
細谷昌子詩国へんろ記 八十八か所ひとり歩き 七十三日の全記録 (新評論,1999年)
ISBN4-7948-0467-9

1995年の春に当時54歳の著者が四国八十八カ所を歩いた一人旅の記録です。1日当たりの歩行距離を短くとって余裕のあるスケジュールで歩き、さらに、ほぼ1週間毎に休養日を入れています。山歩きの経験は豊かなようですが、重い荷を負って舗装道路を何日も歩く経験は初めてのため、アキレス腱を痛めて松山市で数日間療養したりして、回り終えるのに73日間をかけています。

各ページには、出版物編集が本職の著者による手慣れた写真のほか、宿や札所などの施設の連絡先、料金、史実の解説が豊富に掲載されており、ガイドブック的な役割も込めているようです。著者が実際に歩いたのは3年前ですが、こうしたガイド的内容は一つ一つ最新情報を確認したうえで掲載されています。温かくもてなしてくれた宿の注釈に「現在は廃業」とあるのが残念です。

まえがきに「読みとばしや速読は避けて、私に歩調を合わせて、ゆっくり読み進んでください」とあります。1番霊山寺に向かう板東駅前の寂しい風景に始まり、お接待への驚き、出会い、一期一会への複雑な思いなど、歩き遍路の体験者には思い出を新たに、そして等しく共感を呼び起こす414ページの大冊です。

〔広 告〕
この本を買う→
 

Amazon
[読書日記] 目次に戻る (C)1996-1999 くしまひろし