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風紋
乃南アサ風紋 (双葉文庫,1996年)
ISBN4-575-50579-X/4-575-50580-3

殺人事件を題材にしてはいますが、むしろその被害者と加害者の家族に生じる波紋を中心に描いていて、読みごたえのある本です。

最近、立て続けにこの作者の小説を読んでいます。去年、直木賞受賞作の『凍える牙』を読んだのが始まりですが、ずっと以前から書いておられる作家です。どれを読んでもそれぞれに独特のひねりがあり、また、主要登場人物に感情移入し易く、楽しめます。今まで読む機会がなかったのが残念です。

本書でも、登場人物それぞれの人間的な心の動きをなるほどと思わせるように描いています。ただし、殺人事件の加害者と被害者の心理だけは表現されません。つまり、それが了解不能だからこそ、残された関係者の苦しみは一層増大するというところが切実に伝わってきます。

〔広 告〕
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