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きょうはお遍路日和
馬渕公介きょうはお遍路日和 (双葉社,2001年)
ISBN4-575-29278-8

大晦日の夜からちょうど1年かけた区切り打ち歩き遍路の体験記です。

日記風に順路に従って書かれていますが、さすが「職業ライター」だけあって、印象に残る出会いや様々な思索などを中心として気軽に読み通せる構成になっています。「ホテルの中での野宿」という奇妙な体験とか、風の効用や荷物の精神安定作用といった独特の視点が興味深く語られています。

区切り打ちの合間には、自宅近くを般若心経を唱えながら散歩してみるなど、「お四国病」の症状があらわれます。僕も思い当たるところですが、区切り打ちというのは、歩いていない時期も含めた期間全体にわたって、「自分は遍路である」という高揚感が感じられるものです。

ホワイトカラー、肉体労働、ライターと様々な職業を経た1942年(昭和17年)生まれの著者が、遍路体験を通じて、暮らしの中での「定型」、すなわら四季折々の習慣のようなものの良さを見直すことになるというのも、遍路というものが人それぞれにもたらす価値の多様さをあらわしているようです。

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