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佐藤久光 『遍路と巡礼の社会学 』 (人文書院,2004年)
ISBN4-409-54067-X西国霊場、秩父霊場、四国遍路について、江戸時代から現代までの巡礼・遍路の動向や現代の実態について史料やアンケート調査などのデータを元に分析しています。
中でも、四国遍路について江戸時代初期の堂宇の荒廃や明治期以降の混乱などの状況を読むと、四国八十八ヶ所が決して順調に推移してきたのではないことが分かります。現代にそれが生き残り、僕たちがそこで稀有の体験ができるということの幸運を改めて感じました。
遍路の動向や実態については前田卓『巡礼の社会学』で著わされた調査結果などを踏まえつつ、現代の状況については朱印の件数などの実データを使って傾向を分析しています。それによると平成14年の遍路の実数は年間8万人余りとなっています。阪神淡路大震災、テレビ番組、経済情勢などの変化を踏まえてその推移を分析しています。
また各霊場の成立経緯についても若干の考察を加えています。伝説や信仰面からの諸説は別として、史実的には断定できないものの「八十八ヵ所の原型は室町時代から江戸時代にかけて成立したのではないか」としています。
歩き遍路に焦点を当てたものではありませんが、近・現代の遍路の実像をとらえる手がかりとしての情報が豊富に含まれた作品です。
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