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レイチェル・カーソン(青樹簗一訳) 『沈黙の春 −生と死の妙薬− 』 (新潮文庫,1974年) [新潮社,1964年]
ISBN4-10-207401-5/4-10-519701-0「環境ビジネス」を仕事にしている以上、「いつかは読まなくては」と思っていた本です。殺虫剤などに含まれる化学物質が生態系を破滅させることについて警鐘を鳴らした本です。「科学の力」でイヤな虫や雑草を退治することについて誰も疑問を抱かなかった時代に、豊富な事実調査をベースに問題提起を行っています。
ただ、歴史的名著といわれていたので期待が大きすぎたせいかもしれませんが、次々の提示される被害事例に途中から食傷してしまいました。現代の事件ではないことと、舞台が主として米国であることからリアリティに欠けるからでしょう。そういうわけで、途中からは流し読みになってしまいました。
化学物質の安易な使用についての問題的は確固たるものがありますが、代替案の提示は断片的です。もちろん時代的な限界がありますから、本書の意義を否定するものではありませんが、現代に通じる洞察といったようなものは残念ながら感じえませんでした。要するに「ルポルタージュ」というところです。
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