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逢坂剛 『配達される女 』 (集英社文庫,2004年) [集英社,2000年]
ISBN4-08-747686-3この作家の本は、『百舌の叫ぶ夜』とか『さまよえる脳髄』といった長編は読んだことがありましたが、本書のような短編集は初めてです。
生活安全課に勤務して、始終掛け合い漫才のような無駄口を繰り返す冴えない中年二人と、そこに異動してきたちょっと謎めいた女刑事の周りに起こるちょっとした事件が、各編ごとに軽いサスペンスとして完結したシリーズです。しかし、実のところ読者の興味は、個々の事件よりもこの3人の関係が今後どのように展開していくのかということに引き付けられるでしょう。その意味では、これまでに呼んできた本格サスペンス長編とは全く違ったテイストで、うれしい驚きでした。続編が読んでみたいものです。
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