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パトリシア・コーンウェル,相原真理子訳 『死因 』 (講談社文庫,1996年)
ISBN4-06-263393-0女性検屍官ケイ・スカーペッタシリーズの第7作です。
お馴染みの人物が登場します。パートナーのマリーノ警部はますます破滅的な生活を送っているし、主人公の姪のルーシーは23歳になっており人質救出班の一員として活躍します。僕はこのシリーズを全部読んできているので、なつかしい世界に戻ったように抵抗なく楽しめました。
とは言っても、主人公のケイは離婚歴があり、前作での心理分析官のウェズリーとの不倫が本書でも続いており(もっとも本書の時点では彼は既に離婚していますが…)、マリーノ警部も離婚していて新しい恋人ともうまくいっていない、ルーシーはレズビアン----というわけで「まとも」な人はいません。日本の推理小説でも主人公の刑事はたいてい離婚しているという設定が多いですが、米国では50%の人が離婚するそうですから、これが普通なのかももしれません。今後のシリーズでどろどろしたメロドラマにならないことを祈ります。
このシリーズは、検屍局の現場の雰囲気と最先端の科学捜査に加えて、適度の活劇から構成されているのが常ですが、本書でも原発の占拠、カルト教団、Virtual Realityといった時代のキーワードを的確にとりこんでいます。ただ、それぞれの料理の仕方がちょっと浅いかなあというのと、パソコンが486というのが残念です。
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