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半落ち
横山秀夫半落ち (講談社,2002年)
ISBN4-06-211439-9

妻を殺した現職の警察官が犯行後自首するまでの、空白の2日間をめぐるミステリーです。殺人の事実は認めているのに、なぜすぐに自首しなかったのか。関係者の思惑がからんで、この謎だけが封印されたまま、刑事手続きは淡淡と進みます。

この過程で絡んでくる刑事、検事、記者、弁護士、裁判官、そして看守、それぞれの視点から物語が引き継がれていきます。人並みの良心や正義感は組織のしがらみの中で押しつぶされてしまいますが、事件から離れてからも最後までこの謎を追い続けた刑事の執念が実って、謎解きと感動の大団円を迎えます。

警察や裁判所の裏事情も(どこまで真実に近いかは別として)興味深く読ませます。殺伐とした舞台装置ですが、最後に人類愛的な暖かさを残す作品です。

〔広 告〕
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