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高村薫照柿
ISBN4-06-206902-4

普段、電車で読むのは文庫本や雑誌になってしまいますが、夏休みは久しぶりに厚い本を読んでやろうと思い、読みごたえのある高村薫の超厚い本を買って来ました。8月2日から数日間の暑い暑い期間に起こった事件を通じて、幼なじみの男性二人(屈折した刑事と熱処理工場の主任)の人生を描いたものです。私の夏休みとちょうど重なったので、登場人物も汗を流し続け、読み手も汗を流しながらという、まさに本の中の世界を疑似体験するような季節感の中で読みました。

この人の本は、いつも、とても女性が書いたとは思えない、ゴツゴツとしたコクのある男性的な味わいがあります。新聞記事によれば、ご本人も「あえて性別を意識させないペンネームを選んだ」とのことです。

ところで、本書は主人公の中年女性が得体の知れない魅力を備えているという設定なのですが、その魅力というのがどうもいまいち伝わってきません。やはり作者が女性だからでしょうか。それとも私の女性経験が足りないからでしょうか。本書に限らず男性は活き活きと描かれているのに残念です。

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